少年野球の指導者が投げ方を指導するうえで注意すること

投球・ピッチングの練習メニューと指導法 (2)_R
高校生や大学生くらいの、ある程度技術が習熟している選手のプレーを見ているとつくづく思うのですが、小さいころの指導で身に付いた投げ方のクセというのは、ずっと残ってしまうものです。

たとえ高校・大学のトップレベルでプレーしている選手やプロ野球選手であっても、良くないクセがあるためにボールに力がうまく伝わらず、速い球が投げられなかったり、遠投で遠くまで投げられなかったりする人は少なくありません。

遠くに投げられないくらいならまだいいですが、間違った投げ方を続けたために肩や肘を故障し、小学校や中学校の段階で野球の道をあきらめなければならない選手がでてしまうことは、少年野球の指導者としては一番避けなければならないことです。そのためにはどういった指導が良いのでしょうか。

ここでは、筋力トレーニング等には言及せず、投げ方の指導についてのみお話しします。

野球を始めたばかりの子どもが多い少年野球で指導するべきなのは、無駄な動きのない、シンプルな投げ方です。

練習は、ボールに近い部分の練習から始めます。

2人1組になり、相手と正対して、肘が肩よりも高い位置にくるように腕を上げ、手首の力だけで投げる練習をします。

身体の回転が無いので、コントロールがつけやすいはずです。あまり長く続けると子どもが飽きてしまうので、5分程度で切り上げてください。
次に、同じ姿勢のままボールを少し後ろに持っていき、肘から先で投げるイメージでキャッチボールをします。

この時に注意しなければいけないのは、肘が先行して手首がついてくる感覚を子どもに理解させることです。

少年野球くらいの年代では、強い球を投げようとすると肘から先に力が入り、無理な投げ方になってしまいがちです。

こういった投げ方は、コントロールがつかないばかりか、故障の原因になります。

肘から腕が抜ければ、肘が支点となって自然と腕が振れることを感覚として理解させます。

次の練習は、姿勢はそのままで90度横を向いた状態から身体を回転させて投げる練習をします。

この練習で、上半身が連動して動くことでボールを投げている感覚を理解させます。

身体の回転が加わると、一気に投げ方に個人差がでてきます。身体の開き、突っ込み等、よく観察してあげてください。

このように、少年野球の投げ方の指導においては、段階的に感覚を理解させることがとても重要です。

時間はかかりますが、子どもの野球人生を決める重要な期間です。

じっくり指導してあげてください。

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