日本の野球界では、プロ、アマ含めてみても投球数制限を設けているカテゴリーはありません。
それに比べてMLBでは、公式戦でも投球数に制限を設けています。
肩は消耗品ですから不必要に多くの球数を投げさせることは選手生命を短くさせることにつながってしまいます。
特に日本では、苦労することが素晴らしいという悪い思想が蔓延しており、それは少年野球、高校野球にも反映されています。
1試合に何百球も投げさせ、何試合も連続で同じ投手に投げさせるといったことが当たり前に行われています。
最近、ようやくそういった行為に対して批判の声も上がるようになり少しずつではありますが、そういった風習をなくしていこうという動きがみられるようにもなってきました。
そして、そういった意識を少年野球で指導する指導者たちにも持ってもらいたいというのが私自身の個人的な思いでもあります。
試合での投球数
少年野球では、体力面などから1試合が7イニングに設定されています。
そのため、完投させても100球を越えることはあまりないかもしれません。
しかし、小学生のうちは80球でも十分多いということを覚えておいてください。
大人と子供では、身体のつくりがまるで違います。
身体の発達していない状態でもありますから、無理な多投は怪我のリスクを格段に上げます。
ですから多くても60〜70球くらいを目安に交代させるのがベストでしょう。
また、80球を越える投球をさせた場合は、必ず3日は全力投球を控えるようにさせましょう。
50球程度の投球数だったとしても丸1日は投げさせないようにしましょう。
練習での投球数
普段の練習では、全部が全部全力投球をしなければいけないわけではないので全力投球は30球以内くらいに抑えて8割程度の投球を2、30球、これを出来るだけ毎練習で同じように投げさせましょう。
試合後の練習では、上記で述べたように1日は絶対に投げない日を設けてやりましょう。
試合後の肩は炎症を起こしているため、その状態でまた全力投球をさせると炎症がない部分まで炎症が広がってしまい、それを続けていると怪我や最悪の場合手術といったことにもつながってしまいます。
まとめ
チームにとっては、勝つことも大事ですが小学生のうちから選手の将来を潰す資格は指導者にはありません。
チームプレイも大事ですが、選手の身体はそれよりも大事だということを肝に銘じておきましょう。
もしかしたら、野球で飯が食えた選手を若いうちにハードワークで潰してしまっているという事例は多くあると思います。
指導者には、選手の未来が託されているのです。